MUJ2022

【Mrs. Universe Japan 2022 Finalist】No.51 渡邊 真由子 Mayuko Watanabe ~女の陰影を纏う覚悟を決めたわたし~

皆さまこんにちは。

7/15(金)に行われる、ミセスユニバース日本大会ファイナリストの皆さまをご紹介しています。

ミセスユニバースはWomen Empowerment =女性の社会進出をテーマに行われている大会です♡

こちらの記事では、数多くの応募者の中から、ファイナリストになられた皆様について紹介いたします!

【渡邊 真由子さん】プロフィール

ランジェリーを愛する乳がんサバイバー

この度、ミセスユニバースジャパン2022ファイナリストとしてのご縁を頂きました渡邊真由子と申します。

事務系の会社員をさせて頂いております。

その傍ら、好きが高じて東京吉祥寺に店を構えるランジェリーショップRue de Ryu様にて、メジャーを使わないランジェリーのフィッティング技術「龍美術」を学ばせて頂きました。

これは目の前のかたに寄り添うための究極の指針であると同時に、美学でもあり、哲学でもあり、生き方そのものでもあり、わたしの人生に今なお大きな影響を与え続けています。

時を同じくして東洋哲理を学び始めます。

そこで出会った「人生を変える公式」すなわち「(宿命+環境)✕在り方=運命」を知り、わたしに見える景色は更に大きく変わり始めるのです。

その矢先…

愛犬と母を相次いで見送り、更に自身の乳がんが発覚。

手術、治療…心ちぎれそうな日々を送る中、ふと前述の公式を見つめ直し、改めて目の前に広がる景色が変わってゆくのを感じました。

今なおその景色は変わり続け、今に至ります。

趣味はヨガとお酒のおつまみ作り。

食べ物は意外とスイーツ系に興味が薄いながら、全方位OKなのが自慢です(但しコーヒーを除く)。

ミセスユニバースに応募しようと思ったきっかけ

直接的なきっかけはInstagramの広告です。

英語どころか日本語さえ危ういわたしに応募資格があるとは到底思えませんでした。

ところが、わたしの意に反して毎日のように見かける「MUJ出場者募集中」の文字。

しかも一次審査は無料…!

これは何かのご縁が働いているのかもしれない。

イヤなら途中で辞退すればいい。

気付けば締切日ギリギリに「応募」ボタンを押すわたしがいました。

女の陰影を纏う覚悟を決めたわたし

人生で悩んでいた時期について教えてください

愛犬と母を立て続けに亡くし、わたし自身の乳がんが発覚した頃が最新で最大の「精神的ドン底辺期」だと言えるかもしれません。

がんがわかった経験は以下のようなものでした。

忘れもしない残暑厳しいとある秋の日。

毎年恒例の健康診断に行ったときのことです。

マンモグラフィの技師が「気になる所見があるので超音波検査の追加を提案します」と言うのです。

言われるがままに追加検査を受け、待合室に消えたわたしを技師が追いかけてきました。

曰く「必ず医師からの説明を聞いて帰ってくださいね」と。

結局医師からは「カテゴリー4、もしくは5」と言われました。

「わたしはどうすれば…」

とめどなく涙が溢れてくるわたしはそう言うのが精一杯でした。

健診センターの待合室に戻ったわたしは、当時大切にしていたかたに結果を伝えます。

今この瞬間だけでいいから支えて欲しいと思ったのです。

でも返事は次のようなものでした。

「話は聞くけど支えることはできない」

孤独だと感じました。
心が千切れそうでした。

既婚者だから偉い訳じゃない。

未婚者だからダメな訳じゃない。

ただ、一人だということはすべてを自分で受け止める覚悟が必要なのだと痛感しました。

メジャーを使わないフィッティング技術を学び、自分のバストを美しく保つことに心血を注いできたわたしが、どうして乳がんにかかってしまったのだろう。

毎日ブラジャーのカップへバストを収めていながら、何故気付かなかったのだろう。

美肌自慢だった母がわたしに残してくれたこの滑らかな肌に傷が付くなんてイヤ。

大好きな自分のバストが変形するなら要らない!

そもそも何処の病院へ行けば良いのか。

セカンドオピニオンはどの病院に依頼すればよいのか。

どの医師に申し込めばよいのか。

言われるままに手術を受けてよいのか。

この手の病気にかかるひとは「本来の生き方からズレたり間違えたりしている」と聞いたことがあるけれど、わたしの生き方は何かがズレたり間違えていたの?

確かに心当たりはあるけれど既に完了しているはず。

何故わたしはこんなに孤独なのだろう。

誰も答えてはくれない、否、答えられない問いばかりが浮かびました。

手先も生き方も不器用なわたしは、目の前に起こる事象をただただ一つずつ掬い上げてゆくことしかできません。

全てをひとりで決めて、ひとりで向かう心細さ。

多過ぎる情報と、何がベストなのかを探る自分とのせめぎ合い。もどかしさ。

女の象徴とも言えるバストが欠けるわたしに、女としての価値が無くなるのではないかという恐れ。

わたしのように胸が潰れるような想いをした女性が一体どれほどいるのだろう。

孤独と心の中の寒さに何度も泣いた頃でした。

苦しい思いをしながらも希望の光はありましたか?

頼れるひとがいないと思い込んでいたわたしは、とあるかたに言われた言葉を想い出します。

「友達は多くなくていい。信頼できるひとがいれば十分。」

幸いなことにわたしの周りには下着、健康、東洋医学、その他諸々の「その道のエキスパート」的な存在のかたが多くいらっしゃいました。

孤独で、誰にも頼れなくて、誰も助けてなどくれないと思い込んでいたのに、わたしは思い当たるすべてのみな様に「お力をお貸しください」と訴えかけることを思いつきます。

すると、どのかたも、他人事を我が事として捉えてくださり、あたたかな手を差し伸べてくださったのです。

「求めなさい。そうすれば与えられる。探しなさい。そうすれば見つかる。
門を叩きなさい。そうすれば開かれる。誰でも、求める者は受け、探す者は見つけ、 門を叩く者には開かれる。」
(マタイ7:7-7:8)

「運は動より生ず」
(帝王学の格言)

まさしく、自分から働きかけることにより変化が起こることを身を以て知るのです。

その中のおひとり…東洋哲理の先生から頂いた言葉が今でも忘れられません。

「先ずは結果をきちんと受け止めることです。今は治る病気のひとつですからね。何がワタナベちゃんにとってベストなのかを一緒に考えましょう。

できることは何でもします。どうかひとりで抱え込まないでね。私はワタナベちゃんの味方だからね。

それにしても…よく打ち明けてくださいましたね。ありがとう。」

泣きました。わたしは本当に泣き虫です。

付き添いもなく、ひとりなのは変わらない。

欠けゆくバストの未来予想図が見えなくてコワイのも変わらない。

でも、ひとのぬくもり、そのあたたかさを知りました。

ブリザードが吹き荒れるわたしの心に春の兆しが見え始めたのです。

それでも、なかなか上手くいかなかったことはありましたか?

季節が晩秋から初冬へと移り変わりつつある頃、わたしはひとりで入院しました。

保証人欄に名前を書けるひとがいない現実。

わたしの心に芽生えていたはずの春の蕾は、早くも摘み取られてしまいそうでした。

とは申せ。

このような機会は人生において何度もないことだろうし、わたしが体験したことはきっといつか誰かの役に立つ。

いま死んでいないということは、いま生きろということ。

何故ならば、わたしだからこそできるお役目があるはずだから。

それはきっと、あの頃必死にわたしが探したのと同じ情報をこれから探すであろうまだ見ぬあなたのために、わたしの記録を残すこと。

根拠のないそんな想いだけがふつふつと心に湧いてくるのを感じました。

3泊4日の入院生活は思いのほか快適なものでしたが、当然ながら入院時と退院時とではまるで違う身体になっていました。

バストが欠けたくらいでこれほどまでの痛みが走るのかと驚くと同時に、もう二度とあの丸みを帯びたバストには戻れないのだという悲しさに見舞われました。

夥しい縫い傷。

箪笥には色とりどりのブラジャーがスタンバイしているのに、とてもブラジャーとは呼べない「術後専用下着」を身に着けるやりきれなさ。

退院翌々週から復活したヨガでも、これまで出来ていたポーズが取れない衝撃。

いつまで経っても消えない身体と心の痛み。

放射線で朽ち果てる皮膚。

投薬の影響でもう子どもも持てない。

「私のような想いをする女性がひとりでもいて欲しくない。この体験はきっと誰かの役に立つ。」

その一心でInstagramとブログにこれまでの経緯と、朽ちてゆく皮膚とを毎日投稿し続けましたが、術後の体力低下や放射線治療の副作用なども重なり、バストの欠けたわたしに「女」という価値はもうないのだと心底落ち込みました。

世の中がコロナ一色になり始める頃、放射線治療も一区切りつき、通院も3か月毎になり、なんとなく以前の生活に戻ったかのような気がしました。

通院に充てていた時間がぽっかりと空き、わたしはなんとも表現し難い「心の空洞」を感じ始めます。

そんな頃だったでしょうか。

新作を試着するため、久々に下着屋を訪問しました。

そこはわたしが立ち返る場所のひとつなのです。

そして、もう大丈夫だろうと思ったのです。

でも結果は「まだ時は満ちていない」でした。

フィッティングルームの中でわたしは泣きました。

見目麗しいブラジャーがここには所狭しと並んでいるのに、わたしはそれを選ぶことすらできない。

寧ろブラジャーに選ばれてすらいない。

この体験は必ず誰かの役に立つという信念の下、何かをしたいと思ったけれど結局何もできていない。

Instagramもブログも見てくれるひとなど殆どいない。

わたしは何をしているのだろう。

このフィッティングルームでわたしは何度涙を流しただろう。

あのときも、あのときも…。

すかさずオーナーがわたしにこうおっしゃいました。

「手術中のあなたを纏うのはもうやめましょう。まずはもう手術は終わっているのだと身体に教えてあげなくてはいけません。

少し前に買った一枚レースのブラジャーがあるでしょう?

病院で買った術後用の下着は感謝とともに今日でサヨナラして、デフォルトをそちらに変えることから始めましょう。

『もう大丈夫』

そう思う時が必ず来ます。身体が教えてくれます。

『あの時』のあなたに戻るのではなく、『今』のあなたのままであるのでもなく、『その先』のあなたになりましょう。」

ひとは胸が震えたり、胸が傷んだりもする。

すべての想いを受け止めるのは胸、つまりバストです。

わたしは、わたしのバストにかなりの負荷を掛けていたのでしょう。

「女性は元来太陽でした」

そうおっしゃっていたオーナーの言葉が頭をよぎり、わたしは「次」の自分へと向かう決心をします。

その価値を決めるのは他でもないわたし自身だという想いとともに。

どんな環境でも自分の在り方次第で人生はいかようにもなるのだとすれば、わたしには女の価値が「ある」として在ればいいのですから。

本当の春が来る前、それが一番寒いのです。

辛い時期を乗り越えたあと、大きな成功体験を教えてください!

「大きな成功」と表現して良いのか判断がつきかねますが、ミセスユニバースジャパン2022ファイナリストとしてまさしく今、この場に立たせて頂いていることです。

Instagramでもブログでも自分の顔を出してきませんでしたが、それを止めました。

人生においてこれほどまでに「自分」という存在を通して何かを発信してきたことはありません。

病気やそれに付随する体験は唯一無二で寧ろ付加価値でしかなく、この体験があったからこそわたしは今ここにいます。

神様はなんてすごい花道を用意してくださったのだろうと思うのです。

絶望は最大の罪だと聞いたことがあります。

諦めない限り、目の前には可能性しか広がっていないのです。

私の現在と、ミセスユニバースジャパンを通して社会に伝えたいこと

あの時のわたしのように哀しむ女性をゼロにしたい。

哀しむ女性がひとりでもいてはいけない。

何ができるのかわからないけれど何かをさせて頂きたい。

「違い≠間違い」でしかなく、美しくない女性はひとりとしていないと気付いて欲しい。

何故ならば、女性は世の光だから。

わたしの原動力は「あのときに頂いた御恩や優しさ、ぬくもりを今度は社会へお返ししたい」という気持ち、ただそれだけです。

その源泉はまるで枯れることのない泉のように今も揺るぎのないもの。

その想いは本物なのか?と毎日テストされているような気がします。

この感謝のバトンが世界中に連鎖するとき、さまざまな紛争が消えるのではないかと思うのです。

この大会を通じ、初めての経験を沢山させて頂いています。

これまでインプットしかなかったわたしの人生に、アウトプットという選択肢も出来ました。

溢れて零れそうなわたしの想いを受け止めてくださったこの大会と、わたしの望むことがどのような形であれ少しずつ叶っているこの現実に、心から感謝しています。

最後に一言

女性は世の光。美しくない女性はひとりもいません。

たとえば、欠けた体のわたしであっても。

誰もが完璧を目指して努力しますが、残念なことにこの世に完璧で完全なひとはいません。

誰もが何かが欠けています。

しかし「ひとは欠けているからこそ美しい」という本質に気付かされたとき、わたしの見る世界は一変しました。

欠けているからこそあなたの悲しみがわかる。
欠けているからこそあなたの苦しみもわかる。
欠けているからこそあなたのその小さな喜びが手に取るようにわかる。

厳密に申し上げるならば「想像して、よりよく寄り添うことができるだけ」なのかもしれません。

想いは時空を超え、ときに現実をも動かすと信じています。

この想いが巡り巡って世界中の女性に届くことを願います。

【渡邊 真由子さん】インスタグラムはこちら!

7/15(金)の日本大会開催まで、一人一人が様々な形で努力を続けています。

ぜひ皆さまも応援お願いいたします!

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